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オーツ麦が注目される理由

2022年02月13日
うーきちがプラス 0
こんにちは!
ディステルのうーきちです。

今回のお題は「オーツ麦」。
ここ数年、日本でも「よさそう」と言われ、レシピも急激に増えたオーツ麦。
「体にいいみたい」「ダイエットにいいらしい」という評判をメディアで頻繁に見聞きするようになりました。

その理由を食物史とEUの認証機関による調査データを基にまとめます。


それは家畜の餌から始まった

「燕麦/えんばく」とも呼ばれるこのイネ科の多年草は、欧州では長い歴史があります。

野生種「烏麦/からすむぎ」から作物化され、紀元前期にゲルマン(今のドイツ北部とスカンジナビア半島の南部に居住していた民族)からギリシア、ローマへ伝わりました。当初は飼料、医薬用が主でしたが、飢饉の時には命をつなぐ重要な食物になりました。

中世になると全ヨーロッパに栽培が広まり、近世はスコットランド、ウェールズ、アイルランド、スウェーデン、ノルウェー、フィンランドといったいわゆる食物の栽培には適さない「劣等地」で主要な穀物となっていきましたが、それは貧しさの象徴でもありました。
近代入ると気候の寒冷化により食生活に変化が起きてオーツ麦の消費量が急増し、品種改良が始まって、20世紀には収穫量も耐倒伏性、病原菌への抵抗性も大幅に向上していきます。


オーツ麦の商品化

アメリカでもスコットランド、アイルランド系移民を中心に古くからオーツ麦の薬効は知られてはいましたが、1870年代に押麦(ロールドオーツ)が開発され、フレーク状になるまでは手軽に調理できるものではありませんでした。
ロールドオーツをきっかけに食品会社がオートミールの大量生産に乗り出し、19世紀末以降アメリカ中に急速に普及します。グラハム粉を使用していた「グラニューラ」をロールドオーツに置き換えたグラノーラが誕生したのは1880年ごろです。
一方、ミューズリーはスイスで療養食、介護食として開発されました。

その後、グラノーラとミューズリーは、コーンフレークに代表される「食べやすいシリアル食品」に押されて生産が減少していきましたが、1960年代から断続的に訪れた幾度もの「健康ブーム」に押されるかたちでその都度脚光を浴び、現在に至ります。


必須栄養素を含むオーツ麦

長鎖炭水化物
オーツ麦は0.7%の天然糖を含む59%の長鎖炭水化物=複合炭水化物。
ビタミンやミネラル、食物繊維を豊富に含む生存に必要で価値の高いエネルギー源です。
血糖値の上昇が穏やかに長く継続するため、糖尿病をはじめ、さまざまな成人病と肥満を抑える効果があります。
 
①ビタミン
・チアミン(ビタミンB1)は穀物の中でトップ
 神経細胞に作用し、集中力を高めます。
・ビオチン
 健康な髪、強い爪、美しい肌を作ります。
・ビタミンK
 骨と歯を作ります。
・葉酸
 成長と赤血球形成に必要です。

②ミネラル(微量元素)
・マンガン
 骨や結合組織の構築と維持に重要です。
・銅
 結合組織をサポートし、目、髪、肌の色素に作用します。
・亜鉛
 細胞の成長と発達に関与し、急速な創傷治癒をサポートし、免疫システムを刺激します。
・鉄
 血液と筋肉の血液形成と酸素輸送に必要で代謝プロセスを調節し、免疫システムを強化します。
・鉄分
 赤血球の生成に不可欠な成分です。

③ベータグルカン(食物繊維)
 穀物、酵母菌、菌類、その他の植物性食品に含まれています。
 胃を落ち着かせ、腸壁を保護します。
 小腸での栄養素の分解を遅らせ、コレステロール、血糖、インスリンのレベルを調節します。
 血管を保護し、有害な沈着物および動脈硬化を予防します。

タンパク質
12種類の必須アミノ酸を含む生物学的価値の高いタンパク質を13.5%含みます。

脂肪
全体の7%が脂肪でその中の75%は不飽和脂肪酸です。

Krunchy Oat to the Max-2

で、どうなの? 

肝心なのはココですね。
「歴史も理屈もわかった。で、どうなの?」ですよね。

●手軽に食べられる
ホームオフィス、リモートワーク、在宅ワークで家にいる時間が増えて、朝ごはん、昼ごはんの準備が面倒でもグラノーラやミューズリーがあれば、とりあえず「食事」ができる。

●簡単に栄養が摂れる
もともとは介護食、療養食だっただけあって滋養がある。コンビニ弁当やおにぎりに比べてバランスがとれた食生活が実現可能。

●カスタマイズできる
フレッシュフルーツ、ドライフルーツ、ナッツ、牛乳、豆乳、アーモンドミルクなど、その日の気分や好みでアレンジできるのはもちろん、お粥にしたり、スープに入れたり、自由自在。

●日持ちする
買い置きができるので、在庫を気にせずに済む。災害時の非常食としても◎。

●腹持ちがいい
例えばコーンフレークに比べて少量で満腹感が得られるだけでなく、持続する。

●腸がごきげん
理想の形に近づいたのか、自分の場合、トイレットペーパーがほとんど要らなくなった。

●痩せた?
久しぶりに会った人に言われる。

…結論を言うと、いいことばかり。

乳幼児から高齢者まであらゆる層に適した、サスティナブルな食材でもあります。
が、「カロリーはやや高め」

しかし、オーツ麦は水分でかなり膨張するため、そもそもそれほどたくさん食べられるものではない上、わたしは「痩せてしわしわになるよりハリのある小太りばあさん」を目指しているので、気になりません。


5か月からの離乳食、産後ダイエットをしたいお母さんにもおすすめです。ベビーショップの粉ミルクからのシフトにどうぞ。

オーツ麦から得られるオイルもコスメの原材料としてケミカルな乳化剤の代わりに使われる機会が増えて、ヴェレダヨープのヘアケア製品にも入っています。コスメショップ一度覗いてみてください!


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ディステルスタッフ
この記事を書いた人: ディステルスタッフ
今年で開業52年目!
BIO(有機栽培)先進国ドイツ。
フランクフルト市内で最も古いオーガニックの店【ディステル】のスタッフブログです。

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